サラリーマンのスーツ 着こなし術

30歳オーバー。フリーランス。ライター。WEBディレクター。ブロガー。いちぢのちち。自分が疑問に思ったスーツのことの他、お金や買ってよかったものなんかも紹介しています。

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カテゴリ:スーツ > スーツ 部位

本切羽ってご存知ですか?
本切羽 ジャケット 見え方
スーツを購入するうえで、「いいスーツだ」と判断できるポイントは幾つもあります。生地、シルエット、ボタン、その他以前ご紹介したフラワーホールのチーループ(フラワーホールのチーループが有るか無しかで、スーツの質が決まる)もその一つですね。そして、本切羽もいいスーツの特徴であるといえます。この本切羽とはどういうものかを理解した上で、スーツの着こなしに取り入れていましょう。

●本切羽(ほんせっぱ)とは… 
本切羽
本切羽とはボタンで開閉するスーツの袖口の事をいいます。スーツによって違いますが、今は基本的に本切羽のものが多い様な気がしますね。ただ、本切羽はスーツが出来た当初はなかったんですね。

そもそもスーツの袖口にボタンを付けたのはフランス革命で有名なナポレオンと言われています。フランス革命時代兵士達は寒くて鼻水をスーツの袖口でふいていたんですね。それを防止する為に付けられたと言われています。生死を決して侵攻している中、「袖口についた鼻水がカピカピになって見栄えが悪い!からボタンをつけよう!」なんてあまり思いつきませんよねw

さて、話は戻ります。ですので、基本的にスーツの袖口のボタンは飾りでありました。が、これが本当のボタンになったのは、お医者さんがスーツを着だした時代です。
本切羽の別名をドクタースタイルと言います。お医者さんが患者さんの治療をする際に、ジャケットを脱がずに袖捲りをしないといけなかったんですね。(今でもそうですが、シャツは下着でジャケットは上着である為、シャツだけでうろうろするのはパンツ1枚でうろうろしているのと同じと判断されていたんですね。)ですので、本切羽を付けてお医者さんが治療の際に腕まくりをしやすくしたのがはじまりと言われています。

●本切羽とあきみせの違い…
あきみせ
本切羽と対象的な、パーツが開きみせ(あきみせ)になります。あきみせは読んで字の如く、開いているように見せているスーツの袖口の事。「安物のスーツはあきみせが多い」なんていいますが、スーツの語源にもなっているイギリスのサヴィル・ロウの古き良き英国式スーツは、あきみせがベーシックである様です。

●本切羽を外す意味
本開き ジャケット
本切羽は一昔前はオーダースーツの特徴でありました。
あきみせの場合、袖口にボタンがついているだけなので、袖出しの補正が出来るのですが、本切羽にするとそれができません。(袖口が切れてわかれているからですね)ですので、本切羽のスーツは袖の長さをその人に合わせてきちんと作られているオーダースーツならではだったということですね。(ただ、現在はツープライス業態のスーツでもほとんど本切羽で作られているように思います。)
上記より、本切羽のボタンをはずすという事は、「オーダースーツです!」という宣言をする様なものだったんですね。その他にも、カフスボタンを見せやすい固い印象のスーツに少し柔らかさがでる。という事も本切羽を外す理由ですね。それらの理由を総括すると、本切羽を外すと小慣れた感じに見えるという事ですね。

●本切羽を外したジャケットの着こなし
本切羽 ジャケット

本切羽 ジャケット 着こなし
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フラワーホールはご存知ですか?
フラワーホール
フラワーホールは会社の社章やワンポイントアイテムなどを付けてるラペルについている穴の事ですね。では、元来から社章やワンポイントをアイテムを付けるために、わざわざあけていたのかと言うとそうではありません。このフラーループをあけるに至った経緯があるんですね。

●フラワーホールの歴史
スーツ フラワーホール
昔、風が強い日などはジャケットの襟をたてて風をしのいでいたんですね。その時に、襟が倒れない様にボタンを付けていたらしいですが、そのボタンの穴をあけたのがスーツにおけるフラワーホールの始まり。といわれています。ただ、その当時この穴は、フラワーホールという名前ではありませんでした。

その後、1936年に在位したイギリスのエドワード皇太子がこの穴に花を入れだした事がフラワーホールのはじまりと言われています。

フラワーホールはプロポーズのときにも利用されたりします。
その昔、男性が女性にプロポーズをする際、一輪の花を手向けるのが通例だったんですね。女性はその一輪の花を手にとり、OKであればフラワーホールに挿すという使われ方もこのフラワーホールはしていました。

●フラワーホールのチーループとは
フラワーホール チーループ
このラペルの裏地についているフラワーホールの穴の下にある水色のライン。これをチーループといいます。 チーループのチーというのは茎という意味。チーループの使い方としては、花の茎をここに通して花を固定するという使い方だったんですね。現在でもおしゃれにみせるワンポイントとして、チーループをパンツに付けたりする事もありますが、本来はラペルの裏側にあるものです。

皆さんのスーツにはチーループはついていますか?こういうフラワーホールやチーループの本当の意味を理解してスーツ作りをしているかしていないかで、スーツの質というのが決まってくるのではないかと私は思います。

ちなみに、このジャケットは昔P.S.F.Aで購入したもので、一昔前はすべての商品にチーループをつけていたらしいです。

〈2014年5月21日追加…〉
そういえば…と思い、何気なくラペルをひっくり返すと。このスーツにもついていましたチーループ。
別にあったからといって、使う訳ではないです、人に見せる訳でもありませんが、チーループがついているだけで、「きちんとフラワーホールの歴史まで考えて作っているんだな」と自分の中でこのスーツを買ってよかったと納得できます。

人に格好よく見られるために、スーツをきちっと着こなすというのはわたしのスーツを購入するモチベーションの一つですが、もう一つは自己満足できるかどうかですねwこの自己満足できるかどうかは、その人からでているオーラというか雰囲気にかかわってくると思います。ですので、こういうチーループは重要なんですね。
フラワーホール チーループ

皆さんもスーツ選びの際にはこういうポイントもご覧になられてもいいかもしれませんね。  

スーツの最近のトレンドは、色みや、柄などで選ぶ事はありますが、
やっぱりタイトな着こなしというのが流行であると言えます。

そして、もう一つ格好いいスーツのポイントは立体的なスーツであると言えるでしょう。 

この立体的なスーツという表現、なかなかイメージが難しいと思いますが、
格好いいスーツは、ラペルや、肩周りの袖山の部分がふっくらとなっているのが、
上質なスーツであると言えるんですね。

大量生産では作る事の出来ない、テーラーさんが手縫いで一つ一つ手作りで作ったスーツのみがこういうスーツになるんですね。

さて、その立体的なスーツに仕上げる為に、重要なのが、ダーツと言われる部分なんですね。

ダーツとは…
スーツに入れる縫い糸の事ですが、矢の形状に似ている事が由来と言われています。
スーツはもちろん元々は1枚の布。これを1枚1枚のパーツに切り分け、その、パーツを立体的に作り上げるのが、ダーツ縫いという事ですね。スーツのみではなく、シャツなどでも使われています。

元々は13世紀のスカートに使われ出したのが由来といわれており、
スーツに用いられたのは14世紀の中頃。より立体的に、より体に合う様に使われだして今に至るのが由来です。

このダーツ基本的に見えないのですが、フロントにしっかりと入っているのが、
フロントダーツです。フロントダーツとはこちらですね。

●スーツ フロントダーツ
フロントダーツ スーツ

●シャツ フロントダーツ

スーツ部位 フロントダーツ


●フロントダーツなしのアイテム

フロントダーツ なし


こちらはフロントダーツなしのアイテムです。
今風というよりかはトラッド調なアイテムになりますね。
イタリア調というよりかは、ブリティッシュな感じのスーツの着こなしになりますね。

私のスーツにももちろん、フロントダーツが。

フロントダーツ


スーツ フロントダーツ


やはり、フロントダーツが入っている部分が、
ぎゅっと絞られ、盛り上がっていますね。

これが、ダーツと呼ばれる、スーツを綺麗に見せるラインですね。
以上サラリーマンのスーツ着こなし術でした。





 

スーツのジャケットの背中部分には切り目(スリット)が入っていますよね。
これってなんと言うか知っていますか??
本日はこのスーツのスリット部分についてご紹介しましょう。

この背中の切り目の部分を、ベント(ベンツ)と言います。
ジャケットの裾口に切り目を入れる事で、より動き安く実用性を高めるという意味で最初に入ったとか。先日ご紹介させていただいた、ラペルができたのと同じくやはり実用性を求められて今のスーツの形式に変わっていったという事ですね。



センターベント

ベントはこの真ん中の部分です。


ベント(ベンツ)には4種類あります。それぞれ、
ノーベント・センターベント・サイドベンツ・フックベントという種類があります。
分かりやすい画像がありましたので、こちらをご参照に。

ベント 種類



それではベントの種類をご紹介させていただきます。

まずは、センターベント…
センターベントは、もっともポピュラーなベントであるといえます。
こちらは、お尻が大きくスリムに見せたい方はセンターベントがいいかと思います。
サイドベンツだと両サイドがはねてしまうため、センターベンツの方が良いという事ですね。

ちなみに、このセンターベント、乗馬をする為にかっこうよくそして馬に乗りこなしやすい様にという事で、真ん中にいれたとか。当時から格好よく着こなす為に工夫が施されていたのですね。

つづいて、サイドベント…
私のダブルのスーツはサイドベントになりますね。
両サイドに切り込みが入るため、生地に動きがでて相手に活発な印象をあたえると思います。
サーベルを両腰に指す為、スリットを両方に入れたという説と、
当時貴族の間で、ボート遊びが流行っており、ボートをこぐ時、センターベントよりも、サイドベントの方が、フロントスタイルをキープ出来るという事で、できたとか。
やはり、人によく見られたいという事から、スーツは進化して行っているんですね。

最後に、ノーベンツ…
私のタキシードはノーベントになります。
センターベントやダブルベントは上記の様に、スポーティーな理由がありますが、
ノーベントは最もフォーマルな格好であるといえます。
タキシードなどのフォーマルなものは、ノーベントで作成するルールがありますので、
みなさんフォーマルな席に出席する時はノーベンツというルールを覚えておいてください。

ちなみに今期のPITTI UOMOでは、サイドベンツのジャケットが多かったです。
もちろん、スーツはセンターベントが多いのですが、来期は少し変わったセンターベントのアイテムが、店舗をにぎわかしそうですね。

来期に期待です。
以上、サラリーマンのスーツ着こなし術でした。











 

スーツを買いにいく時、スーツの話をしている時、先日購入したスーツの説明をする時…
「ここがこんな感じで…」なんて説明をしようと思ってもスーツのどこの部分が、どういう名称で呼べばいいかもわからず 困る事無いでしょうか?

私はよくあります。。

今まで人生で2回スーツを作った事がありますが、スーツをオーダーする時 も、「襟の部分を…」なんて、言っていました。本当はもっと格好よくパーツの名称を言ってみたいですよね。

このシリーズではスーツの名称についてご説明させていただきます。
今回は、スーツの襟の部分です。
ちなみにこのブルーの部分ですね。

スーツ 部位

上の部分をカラー(上襟)、下の部分をラペル(返り襟)
カラーとラペルの縫い糸をゴージといいます。

ラペルは裏側から生地を折り返しているんですね。
情熱大陸でテーラーの方がこの折り返しの部分を丁寧に、アイロンで型をつけていたのがやっていました。スーツは元々軍服であったと言われています。軍服は詰襟であり、着こなすにあたり窮屈であるため、ボタンを外して左右に開いた事が、ラペルの始まりと言われています。


このラペルには色々な種類がありますが、主なものはこの2つかと思います。



スーツ ノッチドラペル



スーツ ピークドラペル 


上の写真のラペルを、ノッチドラペル。下の写真のラペルを、ピークドラベルといいます。
ノッチドラペルはラペルが下に下がっていますね。ピークドラペルは逆三角形のようになっています。
ピークドラペルの方がフォーマルなラペルと言えます。タキシードは基本的にはピークドラペルのモノがほとんどであり、(ショールカラーというものもありますが、こちらは置いておきますね。)タキシード風のスーツと言えるでしょう。

ノッチドラペルはすこし、カジュアルでありスポーティーと言われております。元は乗馬服に使われていた、ラペルである為、カジュアルであり、スポーティーと言われているんですね。

スーツの襟の話は分かりましたか?
今後、襟の部分を説明する時は、ラペルとカラーというしっかり使い分けてみましょう!

以上サラリーマンのスーツ着こなし術でした。




 

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